保護猫の人馴れ度をレベル分けしてみた

猫ボランティアさんが、野良猫や地域猫を保護し、里親に出せるようになるまで人馴れするためには、多大な時間と良力を要することが多々あります。
猫ちゃん毎に性格もありますので、それぞれの猫ちゃんの人馴れ度と何を怖がっているかを見極めて、すこーしすこーしと、時間をかけて距離を縮めていくのです。たまには挫折してしまいそうなくらい時間がかかることもあるので、根気よく接していくことが大事です。

人馴れ度は、野良猫であっても子猫の頃からどれくらい人と接してきたかで変わってきます。
どんなレベルに分けられるか、ざっと人馴れ度のレベル分けをしてみました。

保護猫の人馴れ度の5つのレベル

これまでみてきた保護猫ちゃんたちを、5つの人馴れ度に分けてみました。

(番外編)人馴れ度0 ☆☆☆☆☆

人の気配や姿をみただけで隠れてしまうような警戒心がとて強くて、おそらく保護するにも苦労しただろうと思われる、全くまたはほとんど人馴れしていないレベル。

ケージに入っても、人の顔をみただけで、シャーと威嚇してくるようなレベルです。
ケージの外にでも手を出してくる場合は、環境にも慣れておらずかなり緊張し警戒しているので、数日はそっとしておくしかないです。このレベルの猫ちゃんは、日々のお世話するのも一苦労です。

たまにシャーという程度であれば、びっくりした時が多いので、人馴れ度1にレベルアップしてきている段階ですね。

人馴れ度1 ★☆☆☆☆

ケージの中では大人しくしているのに、お世話のためにケージに手を入れると、威嚇したり猫パンチを繰り出してきたりして、人をまだまだ信用してくれていないレベル。

やっと保護環境には慣れてきたけど、人にはまだまだ馴れていないです。なので、人の手が近くにくると怖いんです。

手を出してくるコは少々厄介ですが、この段階をクリアしてもらうまでは、ケージの中はそーっと手を動かす、マジックハンドを使う、段ボールなどの仕切りでケージ内の手前の空間を確保するなど、怪我を追わないように工夫しながらお世話しましょう。

人馴れ度2 ★★☆☆☆

威嚇や猫パンチは滅多にしてこないけど、触ろうとすると逃げ回ったり、ガッチリ固まるレベル。

このレベルになると、人からゴハンがもらえることを覚えるので、コミュニケーションが取れるようになってきます。やさしく猫撫で声をかけてあげたり、ゆっくり瞬きをしてアイコンタクトをとったり、指先の匂いを嗅いでもらうところから、そーーーっと撫でてあげたりして、人馴れ度アップを計りましょう。

しかし、たまに撫でられるからといって、この段階でケージからだしてしまうと、家の中で遠目から様子を伺ったり、ゴハンのときだけ姿を見せるような家庭内野良になってしまう可能性が高いです。
また、ケージに戻そうとすると逃げ回ってパニックになる場合もあるので、まだまだケージでの飼育を継続します。

人馴れ度3 ★★★☆☆

ケージの中で撫でられるようになり、人に対する警戒心が解けてきたレベル。
この頃になると、部屋の中で自由にしてあげる時間を少しずつとって、様子をみてみます。最初は、ケージのある部屋のみにして、ケージに戻りやすい環境の中でトライしてみましょう。

お部屋に慣れてくると、ひとり遊びを楽しんだり、他猫と一緒に遊んだりして、リラックスしたときの表情が見られるようになるでしょう。

さらに行動範囲を広げてあげると、普段の寝場所が人の目を避けるところから、人の目に着くところに変わってくるかもしれないです。また、ゴハンをもらえる人と場所を覚えるので、お世話する方がキッチンに立つとおねだりするように寄ってくるようになります。

それでも、少し馴れてきたかも?と、むやみに撫でたり捕まえようとすると、嫌がられて距離をとられてしまうので、決して追いかけたり嫌がることはしないようにしましょう。

もしかすると、この人馴れレベルが一番長く、根気がいる時期かもしれません。
猫の方から近づいてきたり甘えてくるようになったら、次のレベルへ上がれる兆候です。

人馴れ度4 ★★★★☆

人の近くでくつろぐことができるようになるレベル。

やっと家猫っぽくなってきた頃で、滅多にシャーとか空気砲をくりださないようになるので、表情が穏やかになってきます。

飼い主さんのお布団の上で寝るようになったり、足下にゴロンと寄り添ってきたりして、心を開いてくれたかも!と思う出来事が増えてきます。

ただし、調子に乗って撫でまくったりすると、急に嫌がって猫パンチを食らったりするので、適度なコミュニケーションが大事です。

人馴れ度5 ★★★★★

人にスリスリしてきたり、すぐ側でぐっすり寝ていたり、触られても全く問題なく、ゴロゴロ言ってくれるレベル。
このレベルになれば、お部屋の中ですっかり安心してリラックスできているので家猫としては完成です。苦労するとすれば、爪切りの時くらいですね。

必ずしても抱っこできないからといって、人馴れしていないということにはなりません。
性格的に抱っこが嫌いなコもいます。元々、猫は抱っこが嫌いだという説もあります。
抱っこが好きな猫ちゃんは、子猫のころから人の手をかけられた状態で育ち、抱っこが気持ち良いということを覚えている場合が多いと思います。

成猫まで外で生活していた猫ちゃんは、触られても大丈夫、病院などに連れていくために捕まえることができるようになれば、十分家猫になったと言えるでしょう。

まとめ

こんな感じでレベル分けしてみましたが、猫も千差万別で、それぞれに個性があり、性格が異なりますので、1匹1匹向き合っていくことが大事です。

決して、早く馴れるようにと追いかけることはせず、猫から距離を縮めてくるのをひたすら待ち続きましょう。必ず報われる時がくることを信じて。。。

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