猫を飼い始める時に準備するものの1つとして、キャットケージがあります。
しかし、かわいい猫ちゃんには、お部屋の中で自由に過ごさせてあげたいので、ケージには入れたくないと思っている方も多いと思います。私もそう考えていました。
保護猫活動に携わるようになって、人馴れするスピードや猫ちゃんの安心感を考えると、ケージ飼いが必要だということがわかりました。
ケージが絶対に必要なケース:猫ちゃんのお迎え時
まず、保護猫を迎い入れる場合は、保護主さまからのお届けの前までに、単独でも先住さんがいる場合でも、必ずご用意するようにお願いしています。
ワンルームの部屋で単独飼いの場合など、将来的にケージが必要なくなるような方であっても、保護主さまからケージをレンタルすることもできるので、飼い始めのタイミングでは必ず用意しておいて欲しいです。
ケージが必要な理由①:安全なスペースを確保
猫は環境の変化にとても弱い動物です。そのため、環境が変わったとしても、ケージの中なら安心できるという場所を確保しておくことで、猫ちゃんが少しでも早くリラックスできるようにしてあげることができるのです。
以前、テレビで保護猫に関するドキュメントでお届けのシーンを放映していた時、お部屋にすぐに放してあげたら、棚の下に隠れて出てこないわーといってましたが、いやいや、それはケージに入れないとダメでしょーと、テレビに向かって突っ込んだことがありました。
ボランティアさんによっても、考え方はマチマチかもしれませんが、どこに隠れるかわからない状態で自由にするよりも、まずはこのケージに戻れば大丈夫という場所を猫ちゃんが覚えてから自由にしてあげる方が、飼い主さんにとっても猫ちゃんにとっても安心できると思います。
ケージが必要な理由②:先住猫とのお見合い
多頭飼いを始める時、先住猫さんは新参猫にとても敏感になります。
新参猫に度胸があって、いきなり部屋を自由に歩き回ることができると、先住猫が怖くてかくれてしまうというケースもあります。多頭飼いを始める時の、先住猫さん優先という絶対ルールがいきなり崩れてしまい、先住猫さんのストレスになってしまいます。
2匹目以降の猫ちゃんを迎える場合は、先住猫さんがその匂いに慣れて、新参猫さんをきちんと認識してくれるまでは、ケージで過ごしてもらいましょう。最初のご挨拶もケージ越しで、ケンカにならないように注意深く様子を伺いながら、徐々に慣れさせてあげます。
ケージがあった方がよいケース:多頭飼いの健康管理
猫飼いさんの中には、2匹以上の多頭飼いをしている方も多くいらっしゃいます。
多頭飼いをしている時に困るのは、猫ちゃんの体調がいつもとちょっと違うかも?と思った時に、どの子かすぐに特定できないことです。
ケージが必要な理由③:猫ちゃんの健康管理
ご飯は、ウェットなどすぐに食べてくれるものはわかりますが、カリカリをいつでも食べれるように置いておくと、どの子がどれくらい食べているかわからないです。
トイレも同様に、おしっこの量が多いかもと思っても、同じトイレを使っているとどのコのおしっこが増えたのがわからないです。
こういった健康状態を確認したい場合や、療法食を他のコに横取りされないようにあげたい場合などは、隔離してあげる必要があります。
お部屋が複数ある場合は、部屋自体を分けてあげることで対処することも可能ですが、少しでも飼い主さんの近くにいられると猫ちゃんも安心できるので、ケージで過ごさせてあげるのがよいです。
ケージがあった方がよいケース:普段の生活の中で
ケージは場所をとるので、使わなくなったら撤去してしまうことも多いと思いますが、普段の生活の中でも、ケージがあった方が便利なケースがあります。
ドアや窓を長く開けておく時
大きな荷物などを玄関入れる時、お布団などをベランダに出し入れする時など、ドアや窓を開けておく時間が長くなるとき、猫ちゃんは隙を狙って脱走してしまうかもしれません。
脱走対策のために、まずは猫ちゃんをケージにいれておけば、安心してドアを開けておくことができます。換気のために窓をあけていても、安心できます。
お留守番やおやすみタイム
飼い主さんの目が届かない時間に、物を倒したり・棚やテーブルから落としたり、人間の食べ物やサプリメント・おもちゃなどを誤飲してしまうなど、トラブルが発生してしまう可能性があります。
また、子猫の時は、夜中や明け方に猫特有の運動会が始まり、安眠を邪魔されることがあります。
このような場合に備えて、お留守番の時間や就寝時間はケージで過ごしてもらえると、猫ちゃんにとってのトラブル防止もあわせて、飼い主さんにとってのストレスを抑えることができます。
猫トイレやお昼寝スペースとして
ケージが不要となっても、猫トイレやお昼寝スペースは絶対に必要です。
ケージの中で常に用意しておけば、縦の空間も有効に活用しながら、猫の生活空間を確保しておくことができます。
個人的には、フローリングが直接トイレの砂などで汚れるよりは、ケージの中のほうがガツガツ掃除しても大丈夫なので、よいかなと思っています。
どんなケージがよいの?
キャット用のケージが、商品がたくさんでているので、なにを買って良いか迷うと思います。
そんな方に、お勧めを1点ご紹介します。
こちらは、お手頃価格ですが、キャリー付きなのでお掃除もラクです。また、コンパクトタイプなので他のものより場所をとらないですが、多段なので猫ちゃんの居住スペースを分けて確保してあげることができます。
これをベースに、ケージをおけるスペースの広さ、ケージで過ごす時間の長さ、猫の年齢や頭数などを考慮して、3段やスリムタイプ、その他インテリアを考慮してのデザインなど、キャットライフが快適となる商品をご検討ください。
まとめ
猫ちゃんの飼い始めなど、ケージが必要な時は、保護団体・ボランティアさんからのレンタルも含めて何かしらご用意するようにしましょう。
また、普段の生活では、それぞれのライフスタイルの中で、どのように猫ちゃんと暮らすかイメージをして、どんなケージがよいかも合わせて、猫ちゃんを向かい入れる前に考えてみていただきたいです。
最後に一言。ケージのみで、24時間365日生活させるのは、猫の体力低下にもつながるので、決してよいものではありません。お家の中で自由にさせつつ、ケージをうまく活用するスタイルがベストだと考えています。
今日の一枚
まりなの定位置
預かり猫として、親子でやってきた女の子「まりな」(仮名)。当時まだ3ヶ月くらい。
気持ちよさそうにケージのハンモックでお昼寝。馴れてきた頃にケージを開放していても、ここが彼女の定位置で、安心し切って寝てました。兄妹のごう(仮名)に邪魔されると、仲良く一緒にお寝んねしです。
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